キャリアコンサルタント 受験応援と合格してから

福岡でキャリアカウンセリング、キャリアコンサルティング、国家資格キャリアコンサルタントの受験対策を行っているキャリアカウンセラーグループのブログです。

国家資格キャリアコンサルタント         実技(面接)試験対策 合格者はこう聞いた

                              ケイ

前回の実技(面接)試験対策ではカウンセリングを行うときは、全体像をつかむように心がけましょうという話をしました。

今回はある受講生さんが行ったロープレを使って、あなたに質問です。

あなたならこの後どうしますか?

因みにこのケースでCCt役の受講生さんは合格しています。

 

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こんなケースです。

クライアント 中川さん51歳 奥さん51歳 息子 娘
食品会社勤務で営業部長

相談内容
中堅食品メーカーの営業部長である中川さんが、中国に作る子会社の社長を内示されました。中川さんの営業力と長年中国との取引を取り仕切ってきた実績を買われての抜擢です。会社の期待は大きく、社長は当然中川さんが喜んで中国に赴任するものと思っています。でも、中川さんが抱えている迷いは大きく、中国に行って子会社の立ち上げに奮闘するか、内示を断って退職するかで揺れています。

 

詳しく話してもらった結果、次のことが分かりました。

・定年まであと9年。

 中国の田舎で工場を立ち上げても、人材の採用や育成で苦労すると思っている。

 中でも採用が一番不安。中国でも大都市周辺ではいい大学もあり、いい人材も採用

 可能だが、田舎になると人材の面では全く期待できない。
・中国語は話せるし、買い付けなどの出張で中国にはよく行っているので中国で

 暮らすことに対する不安はない。

そして話は
CCt「もし中国に行かれると単身赴任になるんですか?」
CL「はい子供が受験期なので単身赴任になります。」
CCt「それが退職しようか迷っておられる理由のひとつなのでしょうか?」
CL「いいえ、単身赴任はサラリーマンだとやむを得ないですから、前々から覚悟して

  いるし、迷う理由ではないです。」

 

さあ、このあとあなたはカウンセリングをどう進めていきますか?
不安材料は中国での人材の採用と育成しか出ていません。
言葉の不安はなく、中国での生活も大丈夫。
単身赴任も覚悟の上で苦にしていない。
この場面では何をどう聞くべきでしょうか?

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合格者はこう聞きました。
CCt「中川さんが不安なのは中国での人材採用と育成だといわれました。言葉の不安はなく、中国での生活も大丈夫。では、辞めようかと迷われているのは人材採用と育成の不安がとても大きいからでしょうか? それとも他に何か理由がおありですか?」

 

カウンセリングを進めていくうえで大事なことは、少しづつ全体像を把握していくことです。

そのためには目の前に投げられた問題に焦点を合わせるのではなく、クライアントに焦点を合わせなければなりません。
つまり、この時点で把握されている問題「採用と育成」に焦点を合わせるのではなく、「カウンセラーに相談に来るほどの迷いを持ったクライアント本人」に焦点を合わせなければなりません。と言ってみたものの、これでは表現が抽象的で具体的にどうすればいいか分かりにくいですね。

カウンセリングが進行中で、しかもまだ最初の15分の段階では、自分が焦点を当てている「採用と育成」が、問題の「部分」なのか、本人の気持ちの奥深くに入っていく重要な入り口で、その後クライアント本人に迫っていける展開になるのか、まだ他に大事な何かがあるのか、は分かりません。この時点で「採用と育成」に焦点を当てたことが「本人」に焦点を当てた事になって大正解という可能性もあるのです。

そうすると言い方を変えなければなりませんね。

この時点で把握されている問題「採用と育成」に焦点を合わせるのではなく、「カウンセラーに相談に来るほどの迷いを持ったクライアント本人」に焦点を合わせる」

ではなく

「クライアント本人の全体像を把握しようと意識しているか」が大事です。

全体像はどうなっているんだろう、という意識を持ち続けることです。

 

今回のケースでは、
「採用と育成」に焦点を合わせると、「中国での採用は難しいのですか?」「どんなところを難しいと思われているのですか?」「人材の育成が難しいと思われるのはどうしてですか?」と聞くことになります。その質問をするのは構いません。

それで採用と育成の問題を把握することができます。

その結果、明らかにこの問題が迷いの根源だと思えるのか、迷いの理由としては不十分だと思うのかで進行が変わってきます。

その判断ができるのは、全体像はどうなっているんだろう、という意識を持っているからです。 

 

実際のこのケースでは、「中国での人材採用と育成」が不安だと言われているが、その話にあまり積極的でない、強い不安があるように見えないため、それだけが退職の理由ではなさそうだ、とCCtは気付きました。


会社から子会社の社長を任せようと思われている人です。今までの仕事の実績には立派なものがあるように思えます。それなのに、中国での採用、育成の問題が退職したいと思うほど苦になっているのか?

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この質問に対してクライアントはこう答えました。

CL「実はですね。私の実家は大きな農家なんですよ。熊本で父がやっているんですが、所謂大規模農業というやつで、会社組織でやっていて、私が学生の頃から父は跡を継げと言ってまして、私も会社に入って仕事が面白かったのでずっと断ってきたのですが、中国に行って苦労する位なら、親の跡を継いで、今大きくなった会社の跡を継いで、もっと大きくするのも遣り甲斐があるかなと思って。」

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このケース、やる人によって進展ががらりと変わります。

一番多いのは「子会社の社長になる」ことに焦点を合わせて、「言われたときはどんな気持ちでしたか?」「認められたのですね」「今までのお仕事で一番うれしかったことは?」等々気持ちを掘り下げようとする関わりです。

これはこれで大事な関わり方です。

でも、繰り返しますが、まだ全体像は見えていないという意識は持っていてください。

そうすると口頭試問でこの後のカウンセリングをどう進めていきますか?と聞かれたときに、クライアントの迷いの理由がまだ他にもあるかもしれません、と答える事が出来ます。この15分では会社の内示をどう思っているかを聞くことしかできませんでした。残り45分はクライアントの迷いの全体像を把握するようにカウンセリングしていきたい、と答えればいいのです。

全体像を把握すること(把握しようとすること)の重要さ、分かっていただけたでしょうか。

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話は続きます。次回は

全体像を把握することの重要さをキャリアカウンセリング理論から見たら?

という話をします。

ではまた。

 

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